スマトラ島の色々な苔忍2025年

スマトラ島の熱帯雨林の奥深く、密生した樹々と重なる葉の下に、コケシノブはひっそりと生息しています。
この植物は、常に湿度の高い空気が流れる環境を好み、森の中の薄暗く直射日光の当たらない場所に多くの種類を確認することが出来ます。
木の幹や岩の表面に根を張り、土壌の水分だけではなく、空気中の湿気や雨水を頼りにして生きていることが多く、その場の空間の環境自体に依存しているようです。
周囲はしっとりとした空気に満ち、嵐の時も強風がほとんど届かない静寂の中で、コケシノブは静かに葉を広げています。
このような環境で生きる植物は、僅かな光と水分を最大限に活かしながら、他の植物と競合しない場所を選んで生活しています。
色々な苔と一緒に着生しているが、特定の方向にしか葉を展開していない種類。
雨粒の直撃を避けるためかと。
海藻のような姿のコケシノブ。
立体的な構造を持つ種類。
雨水を葉の隙間に溜めやすそうな形ですね。このような目に見える形状から育成方法を推測するのも面白い。
他の種類と比べて、透明感があまり無い種類。
何か役割があってそうなっているに違いないが何故でしょうね。
かなり細かい切れ込みがある種類。
上の種類より更に細かい葉を持った種類。
繊細そうに見えますが、意外と硬くて破れ難い。
比較的大きい種類で半透明の葉が美しい。
この写真は雨季に撮影したものですが、乾季では縮こまって緑色のままパリパリになり、次の雨で復活。
Hymenophyllum pilosissimumの群生の中から少し外側に葉を出す白いコケシノブ。
この場所も雨の直撃がないような環境。
かつて倒木だった物体に着生している種類。
樹幹で繁栄し、倒木で生き延び、朽木と共に消えていくようなサイクルが森中で常に起こっているので、意外な場所で想定外の植物を発見することもある。
葉が頻繁に濡れるのが好きだったり、濡れたくなかったり、濡れてもすぐに乾きたかったり、水滴を持っていたかったり、それぞれ色々な生態があると思いながら野生下の姿を見るのは面白い。